DIARY

事務局長の読書日記

宇田川敦史 「アルゴリズム・AIを疑う」 集英社新書

Google、食べログ等の検索やSNS等のコミュニケーションのプラットフォームには我々利用者に見えないところでアルゴリズムが使われているが、その仕組みを詳しく解説している。結論を言えば、これらのアルゴリズムはプラットフォームを運営している会社の経済的利益を極大化するように作られている(当然のことだが)。

検索プラットフォームでは、記事やおすすめ商品のランキング作成の為に、心理学も利用したアルゴリズムが使われている。

X(旧Twitter)等、SNSのアルゴリズムは、利用者をいかに注目させ、長くそのプラットフォームにとどまらせるかを目的としており、その副次的な結果として利用者の分断、格差や偏見を再生産することになっているという。

これらのアルゴリズムは言わば企業秘密であり、一般には公開されていないが、著者は一部公開された情報を基に、著者の幅広い知識を使いながらそれぞれのプラットフォームのアルゴリズムの全容に迫っている。その過程はさながら推理小説の謎ときのようであり思わず先を読みたくなる。

我々の日常生活の一部になってしまったこれらのプラットフォームの仕組みを知ったうえで、利用したいものだ。

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